マングローブの培養細胞を用いた研究

FDA生体染色法による細胞活性の測定

マングローブのような木本植物の研究はとっても大変。

なぜなら
(1)成長速度が遅い
(2)形質転換などの技術が未発達
(3)細胞壁は固く、多糖類や二次代謝産物などを大量に蓄積することが多く、生化学的解析が難しい。

なので、培養細胞を用いた研究は、生理学、生化学的解析するには、有効なことが多いです。

上の写真は、マングローブ植物のマヤプシキの培養細胞です。横浜国立大学笹本教授のグループによって確立された培養細胞系です。

この細胞は、なんと、低濃度のNaClが大好きという植物の細胞としてはとても珍しい性質を示します。

この細胞をFluorescein diacetate (FDA)という染色剤で染めると、下のような蛍光を示します。生きた細胞だけが染色される生体染色法です。

でもよく見ると、強く光る細胞と弱く光る細胞とがありますね。

そこで、このFDAを用いて細胞の活性を定量化する方法を、微生物で開発された方法を基に、開発しました。

でも、まだFDAを分解するエステラーゼ様酵素の正体は不明です。昔から知られている現象なんですがね。